「うるさい!」

 途中で迷惑がる男もいたが、自分の命に関係しているので、簡単に声を出すのをやめるわけにいかないのだ。

 鉄格子の中にはほとんど、人はいなかった。

 やはり、いないのか。それとも深い眠りで、歯無の声が聞こえないのかもしれない。作戦は失敗に終わった。

 江利牧は『レベル1』にはいないと判断した。

 もうやる気が失せたから強引に判断したのだ。

 歯無はまた自分の鉄格子に戻った。

 やはり鉄格子の中は悪臭だった。

 歯無は『EXTt』に近づくに連れて無臭になるのを感じた。