かなり体力が消耗したのだろう。歯無が目を覚ました時には外は暗かった。

 新聞を購読しているわけではないので、今日が何日かさえわからなかった。

 しかし、テレビをつければ、問題は解決する。番組表に日付が表示されるからだ。

 新聞を購読しようと、歯無は不意に思った。

 拉致され、玄関のドアのポストが新聞でいっぱいなら、興味のない隣人さえ留守だとわかるはずだ。

 それにいつからいなくなったかもわかるのだ。

 朝刊だけでも購読、いや、夕刊も購読すればポストがいっぱいになるので、それだけ早く第三者に気づかせられるのだ。

 寝起きの歯無は現実に戻り、今起こっていることを整理した。