はつみは部屋に戻って、携帯電話を持って来た。そして、江利牧の写っている静止画を表示した。

「はぁ……」

 歯無はため息をついた。
江利牧はどこにでもいるほっそりした青年だ。髪もツンツンとしているので、首のホクロだけが頼りだ。

 歯無は信用したわけではないが、助かる方法がわからないので、はつみの提案に従うしかないのだ。

 話が終わると、歯無は急に眠気が襲ってきた。空腹感もあったが、寝ることにした。