何もないのだ。だから、外に出るしかないのだと、何度も心の中でつぶやいた。

 はしごを上って出口なのかも確かではないが、後戻りも出来ないので、進むしかないのだ。

 歯無はすでに疲労困憊していたので、大の字になり、睡魔が襲ったので、抵抗することなく、まぶたを閉じた。