歯無は目が覚めた。

 臭い。

 閉じこめられていることを思い出し、憂うつになった。

 辺りを見渡すが時計がないので、時間経過がわからないのだ。

「あれ?」

 歯無の記憶では状況が変わっているようだ。

 液晶テレビが一台置いてあった。その前にはDVDのディスクが置いてある。ラベル面は説明用と書いてあった。

 歯無はディスクを再生させるために、液晶テレビの横にディスクを差し込んだ。

 再生が始まった。

 画面はブルーバックで殺風景だ。そこに真っ赤な顔をした男が一人現れた。