玄関のドアノブを何度も回して、開けようとしている。

 しかし、鍵がかかっているので、開くはずもない。

「出ないで……」

 戸度橋は言うが歯無はドアを開けた。文句を言うためである。

「あっ……」

 歯無の勢いもドアを開けて絶句した。

 男が三人いたのである。顔を赤く塗り、無表情だ。

 歯無は金縛りで体が動かないし、声も出なかった。

 男二人が土足のまま家に入りこむと、戸度橋をはさむように、連れ出した。

 見たことのある光景だ。