「あなたはなぜ、逃げないのですか?」

「逃げたくても、鍵がかかっている」

 男性は鉄格子を揺すって、開けようとしている。

「やはり、鍵がかかって無理ですね。ここから抜け出したら、必ず、助けを呼びますから……」

 男性はそう言って、『EXIt』をくぐり抜けて行った。