江利牧の言っていたことは嘘だったのかもしれない。

 であるならば、チテイジンは何を考えているのか皆目検討もつかない。

 もちろん、江利牧、はつみ、戸度橋などがどうなったのかも知ることも出来ない。

 これからどうなるかもわからない。

 何も悪いことをしていないのに、鍵まで閉められ、囚人扱いで気がおかしくなりそうだ。

 やることは何もないと言っていいだろう。

 いや、一つだけあった。

 寝ることだ。

 歯無はすぐに横になっていた。

 背中が痛くなるので、起き上がり狭い空間を走り回ることをするしかなかった。ふと、服を見ると、色が黒ずんでいるし、体臭もするし、体がかゆい。