深い眠りだった気がする。

 歯無は目を開けた。

 硬い床は目覚めが悪い。

「ここか……」

 鉄格子が見える。

 まだ、チテイジンの食料になっていない。生きている。

 戻って来たのだ。

『レベル1』にである。

 鍵はかかっていて、開かない。

 それにフランスパンと水の入ったペットボトルが無造作に置いてある。

 鼻をつくほどの臭いはない。それは『EXIt』の近くだからだ。