歯無はドアノブを回すが、鍵がかかっていて開くはずもない。当然であるが、それでもあきらめず、ドアを回し続けた。

 カチッ……

 鍵を開ける音。

 奇跡か?

 歯無の背後でロボットがいたので、鍵を開けたのだ。

 ドアは開いた。

 歯無は汚れた足のままに部屋に入り、江利牧とはつみをさがした。

「いた!」

 歯無はすぐに二人を見つけた。

 ソファに二人は寄り添っていた。

 歯無は初めて江利牧と会った光景と、同じようで、腹が立った。