一番、手っ取り早いのは警察だが、政府とチテイジン国とつながっているので、助けにはならない。

 では、誰に?

 歯無は誰も思い浮ばなかった。

 絶望だ。

 すんなりロボットに捕まるのも嫌だ。

 時間はわからないが、廊下は静かで、足音も響くので、歯無は誰かが近づいて来るので、振り返った。

「戸度橋!」

 このタイミングで助け船のようだ。

 だが、戸度橋は黙ったまま歯無に一歩ずつ近づいて来るので、無機質な感じがした。

「どうした?」