「思うに……」

 しばらく、沈黙していた江利牧が口を開いたが、話したくないように、言葉に詰っている。

「知っているなら、話せ!」

「チテイジンに捕まった時点で、探知機を体内に埋められ、逃げ切れない状態で、素直にあの場所に留まっていれば、一番安全だけど……」

「もったいぶんなよ! 遠まわしな話はいいから、助かる方法は? それとも知らないのか?」

 歯無はイライラの限界が一気に爆発した。

「知らないってことにしておきましょう……」

「ええっ? これからどうすんだよ。信じられない!」

 歯無が一番聞きたくなかった言葉だ。