辺りは薄暗くなりかけているので、時間的には夕方だろう。

 裸足で走る江利牧を見て、歯無も裸足だったことに気がついた。

 両サイドはビルで、先に車が走っているのが見える。

 前と同じだ。

 歯無は江利牧をまた、追いかけた。

 歯無は江利牧の要領のいいことに感心する。

 すでにタクシーが停まっていたからだ。

 歯無がタクシーに乗り込むと、すぐに発車した。

「いいかな?」

 歯無は色々と聞きたいことがあった。

「どうぞ」