「でも、今は逃げてるな?」

「レベル3は口論でさえ処分されるんですよ。それも人が死んでいるとなっては自分の身も危ういんですよ!」

「だって、君が殺していないんだろ?」

「当ったり前じゃないですか! でもチテイジンにはそれは通用しません。関係者は皆、処分」

「厳しいな……」

 目の前にドアがあった。

 歯無が前に出て、ドアを開けた。

 踊り場だった。

 歯無は『レベル1』の長い螺旋階段を思い出し、吐き気さえした。

「大丈夫ですか?」

「ああ……」