「そりゃ、変だと気づかせるためですね」

「変?」

「そうです。逃げようとする者がEXItに異変を感じれば立ち止まるでしょ?」

「そうだけど……だけど、みんな立ち止まるか?」

「そこですよ。立ち止まらない者は逃げて、別の使用になるんでしょう」
「使用?」

「詳しくは知りませんが、おそらくは食料になってしまうんではないでしょうか」

「本当か?」

「たぶん、そうなります」

「そんなら逃げない方がいいんじゃないか?」

「そうですよ。だから、反対したんです」