「ちょっと、待て。逃げても助からんぞ?」

「いや、助かる方法はあるかもしれません」

「本当か?」

「確実ではありませんが、実験してみないと」

「よし、行こう」

 歯無と江利牧は『EXIt』と書いてある看板の下のドアを開けた。
 通路は薄暗いが分かれ道もないので、迷うことなく進むことが出来た。

 二人は小走りだった。

「あのさ、質問があるんだけど」

 歯無は気になっていたことがあった。

「何でしょう?」

「ここのEXItって何でtが小文字なのか知っている?」