「あっ!」

 しばらくして江利牧が声を出した。

「どうした?」

「あいつらですよ」

「あいつら?」

「ロボットが今、部屋に入って行きました」

「ええっ?」
「何でこんなに早く気づいたんだろう。クソッ!」

 江利牧は歯無の腕をつかみ、『EXIt』に強引に歩き出した。

「おいおい……何だよ?」

「逃げるんです」

「はあっ?」

「早く、しないと……」