「あいつなら、脱出した」

「ええっ? マジで?」

「ウソは言わないよ。先ほどだから、急げば追いつくかも」

「そうですか……」

 江利牧は下を向いた。

「で、何で女性が二人死んだからって戸度橋が関係しているんだ?」

「それはですね、ボクら三人で食事をして彼女らは先に部屋に帰っていったんです」

「戸度橋が出て来てないじゃん?」

「話はまだ続きます……」

「そうか、じゃあ、続けて」

「部屋に戻ると、彼女らは仰向けに寝ていました。それで不審に思い……」