「この間、ボクの部屋に来た時にいた女性二人です」

「ああ、そうですか」

 歯無に興味がないので、返事をしているが、視線は宙を向いたままだった。

「あの男が関係しているかもしれないので、どこにいるか教えてもらえませんか?」

「あの男って?」

「この間、あなたといた目の鋭い男です」

「ああ、戸度橋か。それはいいけど、何でここいること知ってんだ。名前名乗った覚えないけどなぁ……」

「この間、戸度橋って人があなたの名前を呼んでましたよ。歯無さんと……」

「そうだっけ?」

「そうでしたよ。それより戸度橋はどこにいますか?」