「あの……」

 歯無の背後から声がした。

 首を声の方向に向けると、江利牧が立っていた。

 顔は真っ青だ。

 何か異変が起きたことはすぐに想像が出来た。

「どうした?」

 歯無がやっと声を江利牧にかけると、すぐに寄って来た。

「大変なんです!」

「はあ?」

「実留と歩夢子が死んでいたんです」

「誰ですか。その人たちは?」