だが、先ほどの怒りは以前見た戸度橋だ。

 歯無の思考はまた停止した。

「これからどうします?」

 歯無が黙っていた。

 戸度橋は不審に思った。肩に両手を乗せ、何度も体を揺らした。

「あっ、そうだな……少し頭を冷やして、考える時間がほしい。だから、部屋で休むよ」

 歯無はそう言って、戸度橋と別れた。