「生きていたのか?」

 歯無の前に戸度橋が立っていた。そこには笑顔はなく、真顔で視線を一直線に見つめる姿は希望にあふれていた。

「当ったり前じゃないですか。こんな変なところで死んでたまりますか!」

「そうだよな」

 歯無は希望の光が消えかかっていた。わずかであるが復活した。

「しかし、ここも最悪ですね」

「何が?」

「レベル3は天国とか言っておきながら、やっぱりここも外に出られないし、娯楽も何もないじゃないですか」

「そうだな」

 歯無は戸度橋の勢いに圧倒されて、返事をするのが精一杯だったのだ。