食堂を出た歯無は自分の部屋に戻ろうかと、フッとある物が目に入った。

「あっ!」

 声を上げた。さがしていた物があったからだ。

 それは『レベル3』は各部屋にドアがある。

 そこに名前が書いてあったのだ。

 チテイジン国に来て、個人の持ち物がなく、服さえも気がつけばみんなと同じ物だ。

 これで江利牧が見つけられる。

 これで脱出することに光が見えた気がした。

 歯無のテンションは一気に上がり、本当は部屋に帰って寝ることを考えていたのだが、今はパッチリと目が開いて、ドアに書いてある名前を凝視した。