【マー…】


私は溜め息混じりにマーの名前を呼んだ…



〔別にいいじゃん!楓だって違う事に目を向けるのもいいと思うし…
それに…
それにさ…
いつまでも亡くなった琢磨さんの事を想い続けるのもどうか?
と私は思うけど…〕


マーは私に向かってそう言った。



そう…
私はまだ…
琢磨を忘れて無かった…
事あるごとに琢磨を想い出し泣いていた…
マーはそれを知ってた…

普段の私は表に出ると元気で明るい人と言うイメージや印象が強い…
それに気の強いしっかりした女性…

そう言うイメージや印象を相手に残す…

でも…
家に一歩、踏み入れてしまうと素の私が姿を現し弱虫で泣き虫な私が顔を覗かせる…
琢磨の事を想い出しいつも泣いていた…


それをマーは知っていたんだ…



私はマーに気を遣わせる事に…
この時、初めて気が付いた…