「…ハァ……ハァ!」
ガサッと茂みを抜けると、そこには海が広がっていた
砂浜にでたようだ
「……ハァ………つかれ…ハァ…た……。」
ゼーゼーいっている息を整えつつさっきの男の言葉を思い返す
(……北に会いに来た?……餓死しそうにまでなってもか?)
疑問が頭をグルグルと駆け回る
一体なんのために?金か?北の命か?それとも………
手に握っている刀を見つめる。これが目的か?
なんにせよ、北だけには会わせられない
面倒事はごめんだがこのさい仕方がない
北は特別だ
「砂浜に出たか。」
「っ!?」
いきなり聞こえた声に、とっさに振り向けばさっき店内にいた真ん中に座っていた男が立っていた