すごい……これだけの海賊相手に息ぎれしてないなんて

「さてと、彼らを港まで運んで船に乗せよう。」

「え?海軍は?呼ばないの?」

「オレ達を牢獄にぶち込む気かてめぇ。」

ゲシッと後頭部をルーク・フォームスに蹴られああそういえばこいつも海賊だったと思い出す

「そういえば、君のクルーはどこに?」

「ああ、あいつらなら船を移動させている。他の海賊に見つかっちゃぁ面倒だからな。」

「仕事が速いね、船長さん。」

うるせぇとルーク・フォームスは毒ずく。こんな奴が船長だと思うと寒気がする……

「あ、いた!」

響いた女の声に振り向けば、マリア・セシリアとシェーンがこちらに向かって走ってきていた

「……この海賊!」

シェーンが倒れている海賊達に気がつき慌てて近づいてきた。マリアもそれに続く

「北が1人でやっちまった。」

ルーク・フォームスの言葉に2人が驚いた顔で兄貴を見る

「すごい………さすがだわ。」

「そんな事はないさ。」

マリア・セシリアの言葉をかるく受け流すと、兄貴は港の方へ目をやった

(……………?)