「兄ちゃん、オレ達は食料が欲しいだけなんだよ。だから少しでいい、わけてもらえねぇか?」
「……村に攻撃した理由は?」
いつもより低い兄貴の声
また、あのピリピリした感じがオレを襲った
「理由?ただの脅しさ。オレ達は海賊だぜ?」
「従わなければ力でねじ伏せる………か。」
「よくわかってんじゃねぇか。なら話ははや……。」
「悪いが出て行ってくれ。」
海賊の言葉を遮り、村人の中から1人の老人が出てきた
この村の村長、テンゾウじぃさんだ
テンゾウじぃさんは兄貴に歩み寄ると、海賊にこう言った
「わし達はこの小さな島で食料を大切に育て食べている。」
「オレ達を餓死させるってーのかよ。」
「あんたらが常識のある海賊ならば話は別じゃが、村を攻撃された以上仲良くする気も助ける気もない。早くこの島から出てってくれ。」
海賊の眉間に皺が寄る
テンゾウじぃさんを睨みつけ、腰にある刀に手をかけた
「この老いぼれが………黙ってりゃいい気になりやがって。」
サヤから刃が覗く
(やばい……っ!!)
オレが建物の影から飛び出そうとした瞬間