「へぇ、君達も東北の島からここまで。」

なんなんだこの空気

「島はバラバラなんですけどね。」

「私は北よりの島に生まれたんです。」

「北に生まれりゃ船に乗せずにすんだんだがな。」

「なんですってぇ!?」

なんなんだこの和んだ空気は!!



あれから数十分、ルーク・フォームスとそのクルー

黒髪の男、シェーンと巻き髪の女、マリア・セシリアは何故か兄貴と打ち解けていた

しかも5人仲良くソファに座りお茶を囲んでいる

(いいのかよこれ!仮にもあっちは北を狙ってんだぞ!?)

いくら兄貴がもう北じゃないとしても、オレはこの3人に気を許せなかった

「さて、じゃあ本題に戻ろうか。」

兄貴の一言にクルーの3人は黙る

その代わりに兄貴が続ける

「ルークと言ったね、君が聞きたいことはなんとなくわかる。……北の椅子はまだまだ埋まらないよ。」

「!!」

その言葉にルーク・フォームスは立ち上がった

「"東の船長"から聞いた話では、今オレの仲間だった者から誰を北の椅子に座らすかもめているらしい。何人か候補はいる、ただ……。」

「ただ?」

「その候補の中の1人、オレが断突に支持されているらしい。」