オレとルーク・フォームスの視線がぶつかる

「どうして弟が北の刀を持ってんのか………そこが気になっただけだ。」

オレはベッドのそばに立てかけてある刀、虚白を見る

確かに、オレも深い理由は知らない。何年か前に兄貴が、オレにくれたのは事実だが……

「弟に譲った、それだけさ。」

「相棒をか?」

「北でも船長でも、ましてや海賊でもないオレが持っていても仕方がないからね。」

兄貴は立ち上がると虚白を手に取った

「虚白を見ると懐かしい気分になる……。ただひたすらに夢だけを追いかけていた頃の自分がね。」

「…………。」

「………兄貴。」

兄貴はフッと笑うと、オレに虚白を渡した

「オレは海賊をやめた身、武器を持つ必要はない。」

「北を治めた大海賊がかなり無防備だな。」

ルーク・フォームスは険しい顔をして、オレをチラリと見た

「あんたの弟、見た感じじゃ戦闘力0のもやしじゃねぇか。」

「もやっ!?」

「もし北に恨みがある海賊が攻めてきたらどうする。即死だぞあいつ。」

「てめぇだれがもやしだ!!つーか即死っなんだよ即死って!!」

ベッドから出てルーク・フォームスに飛びかかった

が、綺麗にかわされ床に顔面から着地

「いってぇぇぇ!!」