「でももう年末だもんね。


そのかっこじゃ寒いか」


へぇ… もう年末なんだ。


そりゃあ寒いわけだ。


「じゃあもうちょい厚手のやつ出しとくね」


「あ…」


そんな…


そんなこといいのに…。



でももうまーくんはクローゼットに向かってて、用意をしてくれている。


「あ… ありがと」


「んー」



まーくんは、年の離れた兄弟でもいるのかな。


やけに世話焼きがいいっていうか…


まあありがたい以外の何者でもないんですが。



「でもさ、俺のだとサイズ合わないよな」


ま… …確かに。 それは。


「なーチカ?」


クローゼットの陰から、まーくんが体をのけぞらせてこっちを向く。



「あ… う うん!」


慌てて寝室の中に入る。


あ、勢いでうんって言っちゃった。