顔がひきつる。


まーくんは火を止めた。



「何その顔 言わないよそんなこと」



え…



まーくんの目をじっと見る。


言葉が脳の中で消化されていって、


それにつれて周りがキラキラしてくる。



「気が済むまでずっとここにいていいよ。


それとも他の男の所に行きたい?」


私はぶんぶんと頭を横に振った。


まーくんは眉を下げて、弱そうな笑みを浮かべていた。



「な、何で!?」


まーくんは調理台に左手をついて、ふぅっと息を吐いた。



「運命を信じたくなるくらいにね、


キミの見た目が俺のど真ん中なんだ」


私の予想は当たってた。


あの写真集は、私の幻影。



「それに仕事から帰ってきて、誰かいるのっていいんだよね


チカは玄関で迎えてくれるし


お帰りなさい、とか 嬉しいよ」


ああ、なるほど。


セックスするためじゃないって、そういうことか。


まーくんにとっては、そっちの精神的なものの方が大事なんだね。


それなら納得できる。