どこに行けばいいのかなんて、全く分からない。

だから、とりあえず人の流れに乗って、知らない場所に運んでもらった。







頭の中にまだ残っている、遠い人の声。

それからただ逃げたくて、こんなところまで来てしまった。



逃げようと思ったら、逃げられるもんだ。

しかも、案外あっさりと着いている。



離れると少しくらい哀惜の念が浮かぶかと思っていたけど、

全く起こらない自分に驚いた。

実際、こんなもんか。









人の流れに乗って歩いたり座ったり、

そうしている内にどこかの駅に着いていた。




この駅にたどり着いたこと。


これがそもそもの運命の始まりだった。




・‥…━…‥・‥…━…‥・