〜ぎ…せい?…〜

ヒナは息を飲んでその2人を見守った。

『…良いのですか?……あなたは本当にそれで良いのですか?』

すがるように問いかける女の人。
金茶の髪を一つに結び、風に揺れる薄い銀の長い布を纏っている。
手には輝く本を…


〜あれは!!宝珠の!〜
『それが、おまえと世界が出した答えだろう?』
瞬間。

男はたくさんの光となって消えた。
朱い瞳の光を残して。


『…私は…。』

女の人はしばらく目を閉じ、流れる涙に身を委ねていた。
地についた手は小刻みに揺れ、悔しさを物語っている。



〜あ。〜

ヒナは自分の頬を伝う暖かいモノに気付いた。


〜なに?この気持ち。〜
切ない気持ちが溢れ、涙がとめどなくこぼれる。
〜大切な何かを…失く…〜

『……光よ。』

女は何かを振り切るように目を見開き、立ち上がった。

『我は願う…!』