「…………。」
ジュンは男の魔法使い様ですか?という問いに一瞬、顔色を変えたが、

「…そうよ。私は魔法使い。何が起きたの?」
すぐに凜とした態度で答えた。

「良かった…丘に!丘に霧の贄がでたんです!
俺たちの仲間が何人も…!なんとかしてください!」

すがるように頼む男。
「……でも、私たち、そんなの…」
ヒナが困ったようにジュンを見ると

「行ってみるわ。だから安心して。丘ってパピルスの?」
「そうです!!丘の北の方だ」
「わかったわ。あなたは家に。」


ジュンは颯爽とヒナたちに振り返る。

「魔法使いは災害時に人の助けとなる存在なの。それが「魔」を授かった宿命。
私は行くわ。ヒナ達は鍵を探して?」

「俺も行こう。魔法使いといえどもジュン1人だけでは太刀打ちできない。」
リュウもそう言うと丘へ歩き出す。

「……わたしも…行く!」
「………行くか!」
ヒナ、こうも躊躇なく後を追った。