「『霧の町ミスティオ』?確かに霧がすごいね」

街につくと、濃く、深い霧に驚くヒナ達だった。
確かに、普通の霧にしては濃く、すぐそばのモノもぼやけて見える。
見知った顔さえも…

「確かにすごいわね…こんなにひどかったかしら…」

「いや。おかしいな。人の気配があまりない。」
ジュンとリュウが訝しげに辺りを見渡すと、
確かに家のドアは固く閉ざされ、道はがらんと静まり返り、道行く人は見当たらない。

その時、男が遠くの方から大声を上げて走ってきた。

「大変だ!また『霧の贄』がでたぞ!!」

男は夢中で走ってきたようで、汗だくだった。しかし、表情は恐怖で固く、目だけが見開いている。

「きりのにえ??なにそれ。」
ヒナは男に問いかける。

「!!」
男は驚いたようにドサッと倒れ込む。その視線の先には

「ま……魔法使い様ですか?」

ジュンがいた。