「…行けるわけないだろ!!」

こうは地面を転がるように間一髪、ユイの炎を避け、リュウに叫ぶ

「だまれ!!あるんだろ!お前が行くべき理由が!!
今行かなくて後悔してもいいのか!?」

リュウもこうに負けじと声を張り叫んでいた。滅多に感情を現さなかったリュウの剣幕にこうは一瞬たじろぐ。

「…あいつらは大丈夫だ。」

「…。」

〜オレは…このままじゃ…〜

ヒナはオレを見てる。
真っ直ぐに。


〜なんで、そんな顔してんだよ…〜


ヒナは不安そうにこうを見ていた。
足を止め、顔は表情を作って動かない…
心だけがあちこち駆け回る
そんな表情だった


〜アイツを1人にして、もう大丈夫か…?〜


こうはヒナの後ろに幼いあの日と、あの『約束』を思い返していた


〜今のアイツはジュンもリュウもいる…
あいつらなら、ヒナを任しておける〜



〜だけど、アイツをこの先、サマル達から守ってやるのはオレなんだよ!
…オレがこの手で…!
…だから!〜




「リュウ。あいつを頼む!!」


「ああ!」


リュウの力強い返事に、頷き、こうは聖龍剣を空高く掲げた。

蒼空に冠する星に届くように。

高く、高く………