「魔…導師……?」


ジュンは立ち上がりながら、そのユイと名乗る女性を見た。
両耳に付けたピアスに輝く闇の集団の証を見据えながら杖を構え陣をとる。


「セレメス様直々にあなた達とこの山の排除を仰せつかったのよん♪

サマル様によると、この山、あたし達闇の集団にとって邪魔なんだってさ〜
ま♪よくは知らないけど、セレメス様のため、ユイ様頑張っちゃうわよん♪」


「!!あんた、喋り方がムカつく!!」

ヒナの言葉にフンと鼻で笑いながら、手に持つ、黒の傘を広げ、肩にかけた。

「山の排除だと……?」

「そ♪
や・ま・の・は・か・い!
ユイ様にかかれば一瞬でドカンときれいさっばり〜!」



「ちょ、ちょ!壊されちゃ困るんだけど!!」

ユイの異様なテンションに戸惑いながらヒナがあわてて抗議した



「闇魔法……なめない方がいいわよん♪」


赤いリップグロスを綺麗に塗った口が弧を描くと、傘をクルクルと回しはじめた。

「やばっ!なんかやるわよ、あの女!!」


「この山壊されちゃ困るんだよ!」

ヒナの横をこうがすり抜けるように走った


「待っ……!」