ザクザク……


砂漠の砂が4人の足元を揺るがせた。
しかし、決して立ち止まらず歩き続けた。



〜こうは…なんで光龍の頂なんて場所知ってたんだろう…〜


前を歩く幼なじみの背はいつもより少し遠くかんじた。

〜私が知らない事知ってるこうなんて……〜



いつも目の前にいて、手の届く範囲にいてくれたあいつは
すこしだけ離れたところに感じた。
見ている風景は同じはずなのに、きっと自分とは違う何かを見ている…



~なんでよ…いつの間に…~



気持ちが押し寄せる…



なぜだか目の前にいるこうに手を伸ばさずにはいられない衝動がヒナの口から言葉を紡がせた。



「こうは…
こうは………帰ったら何をしたい?」


「あ?急になんだよ。」


こうは急に声をかけたヒナを振り返る。

不意に振り向かれたその表情に胸が動く。


「え?」


ヒナ自身も自分自身が問い掛けた質問に驚き、すぐに手を振る

「あ…ごめ、なんでもないわよ!」


あわてて怒ったようにそっぽを向くヒナをこうは不思議そうに覗く

「??。ったく、なんだよ…
さては、ホームシックか?
ダセーな〜」


そう笑いながら、飛び回るモンタにちょっかいを出しながら歩くこう。



〜あいつ……いつものこうだった…?〜

ヒナはこうの横顔を見ながら、変わらないいつものしぐさに少しだけ目を細めた。


〜これからも……
変わらずに……?
それは、いつまで…?〜



胸に残るわずかなしこりに戸惑いながら歩を進めた。


「着いたぞ」