「……そいつ、本当に龍なのか?」


自分の苛立ちを隠すかのようにこうはリュウに話をふった。


「さあな。…ヒナにはヘビ太って呼ばれてたがな。」

リュウはそのヘビに似た龍の子を見ながらなんの気もなしに話す。こうの苛立ちに気付かないかのように

「ヒナか。あいつ、失礼なやつだな」

こうは思わず笑いながら龍の子を見た。
角も翼も爪もない、丸っこい生き物は大きな黒い瞳で世界を見ていた。


「光龍の頂……」

「?」

リュウのふとした呟きにこうは視線をリュウに戻した。


「そこはな、おまえの剣『聖龍剣』の伝承がのこる場であり、宝珠の言い伝えも残る聖地だ。」


リュウはヘビ太から目をはなすとまっすぐこうを見て、言い放った。