「………来たわね。」

「!!」

聞き覚えのある声とともにヒナ、ジュン、リュウが走り込んできた。


「こう!!なにやってんの!心配したじゃ……」

ヒナがこうに駆け寄ろうとした、その時。
傍らに立つ女の子の姿に動きが止まる


「誰?……」

「…………………」

ヒナラはヒナの姿を横目で見つつ、サマルから視線を外さず、見上げていた


後からきたリュウやジュンもそこに集う面々に、少し離れた所で様子をうかがう。

「集ってしまいましたね。古えの過ちを犯した役者たちが。」


「…あなたもその1人でしょ」

ヒナラの刺すような言葉にふっと冷笑を浮かべ、サマルは言葉を続けた。

「否定はしませんよ。ただ、私は輪廻を断ち切る。……その根源から。」

向かい打つようにヒナラは強い言葉で薄い笑みを浮かべたまま言い放つ。
「それはこちららも同じよ。」

サマルがヒナラを一瞥し、シェルーに退く合図を送るのをこうは見逃さなかった

「待てよ!
まだ勝負はついちゃいないぞ!!」

「………もう一度やるというなら、遠慮はしませんよ!!」

「ダメだよ!!こう!」

「はなせ!ヒナ!」

再び飛びかかろうとするこうをヒナは必死に止めようと抑えるが、ヒナラがその手を制した。
そして、鋭い瞳をこうに向け言葉を放った。

「あんたのそれは勇気でもなにもない!!
ただの意地の塊のその程度の剣では何度やっても結果は同じよ!死に急ぐのは止めて今は行きなさい。」

「なんだと!!」

ヒナラの言葉にこうは噛みつくように叫ぶが、リュウがその腕を掴む。

「退くぞ!」

一同はサマル、シェルーを空に残し、街へ向け走った。