ヒナの放つ、宝珠の光は走るように泉全体を囲んだ。

その柔らかく、暖かい、琥珀色の光は泉龍の卵を中心として、まるで守り包みこむように輝く。

すると、龍の卵も、それ自身が紅く光を放ち、まるで七色に輝く泉の水を吸い込むかのように、水を集め、水柱をあげた。

「…………」

言葉も無しに見守るリュウの隣でジュンは声をかけた。

「大丈夫だよ、リュウ。」

「ああ。」

リュウはまた、口の端で少し笑うと、龍使いの証であるクロスを空高く掲げた。



風。


蒼い光と、強い巻き起こる風が泉を包む。


「!!」


ドンという音と共に起きた衝撃と蒼い風は天空高く舞い上がった。
かと思うと、すぐに七色の泉へ急降下し、降り注いだ。


風は泉を巻き、球体のように吹き荒れた。


4人は次第に風が止んでいく泉を目をこらして見守った。



「あ!」

「……!」