確か……名前はベル。
ホテルのドアベルマンをしている。とノートには書かれていた。
 ベルが買ったチョコレートは、毎日ある女性の元へ運ばれていた。


「いつもありがとう。」


 笑顔で受け取る女性は、幸せそうな顔でチョコを食べています。


「─ティンク様、お話が御座います。」


 何日か過ぎた頃、ベルが女性を呼び出しました。
 聞き耳を立てるココアは、ワクワクしながらその様子を見守っていました。
 ベルの手にはFairyで買ったチョコレートが、握られていたからです。


「なにかしら?」


 人気の無い場所まで来ると、ベルはティンクにチョコレートを渡しました。


「まさか、これを渡すためにこんな場所まで来た訳じゃないわよね?」


 ティンクはベルとチョコを交互に見ました。


「はい。今日は、ティンク様に聞いてもらいたい事があって、お呼び立てしました。」


 ベルは一呼吸置き、口を開きました。


「…一目惚れでした。
あなたに会った時、久しぶりに胸が高鳴り、自分に何が起きているのか解りませんでした。
 恋をしていると気づいたのは、その後です。」