その夜、掃除を終えたショコラが、部屋に入り一番に確認したものがありました。
 クヴェルの誘いと同じくらい頭にあったあのノートです。
 ショコラはドキドキしながらページを捲りました。
 そこには、昨日書いた返事が来ていました。


『よかった……』


 それを読んだショコラは、涙で潤む目を拭い、ほっと胸をなで下ろしました。
 ノートには、こう書かれていました。


 “愛するショコラへ
 いつかこうなる事は分かっていたわ。
 私たちフェアリーはショコラとショコラの作るチョコレートが大好きよ!
 あなたのチョコレートは人を幸せにする力がある。
 私たちはあなたのチョコレートになにもしてないの、嘘を書いてごめんなさい。
 あなたのチョコレートで幸せになる人の思いを一番近くで感じていたくて。
 でも、今まで書いた事はすべて本当の事よ?

 私たちはずっとあなたのそばにいるわ。
 そしてこれからも、あなたのチョコレートで幸せになっていく人たちを近くで感じさせて?
 私たちのお話が伝えられないのは残念抱けれど、ショコラのお話楽しみに待っているわ!
 明日のデート頑張ってね


あなたのフェアリー”


 ショコラはさっそく返事を書きました。
クヴェルの誘いをどんな気持ちで聞き、今がどれほど幸せなのか。思ったままを書きました。
 そして最後に“フェアリー達 ありがとう”とノートを閉じました。
 そして、鏡とにらめっこが始まりました。
 クローゼットから洋服を引っ張り出し、明日着ていく服をあれでもないこれでもないと一人呟きながら選ばなければなりません。