そこは食べた人の気分によって味が変わる。と噂のチョコレート専門店。
お店の名前は“Fairy”今日もチョコの匂いに包まれたお店の一角から、小さな笑い声が聞こえてくる。


それは、大人には見えない小さな妖精達の声。
カラフルな服に身を包み、開店を今か今かと待ちわびる。
Closeの札をひっくり返し、ドアベルがチリンと響く店内に小さく音楽が流れ始めた。


『いらっしゃいませ』


笑顔を向けるショコラの声を聞き、1人のフェアリーが動き出しました。
クスクス笑いながら、包まれた箱の中に身を隠す。
今日はどんな仕上げをするのかしら?


『ありがとうございました。』


ショコラの声に胸を弾ませ、小さなドアベルを箱の中で聞くこのフェアリーの名はココア。
幼い頃ショコラが、名付けた名前の一つ。
なぜショコラが名を与える事が出来たのか?


それはずっと昔に遡る。
これはショコラが幼い頃の話し。
元々は祖母が経営していたこのお店に、幼いショコラは出入りしチョコ作りを眺めいた。
様々な形、色、模様がずらりと並べられている光景を見るのが大好きな女の子でした。