場所が場所だから、こんなことはいけない…。

誰もいないとは言え、誰かくるかも知れない…。

そう思っても、止めることができないのは何故だろう?

誰かがきたらと言うスリルを感じたいから?

与えられる口づけが気持ちいいから?

やめて欲しくないと言う私のわがままから?

どれにしろ、止めることができない。

彼に逆らうことができない…。

「――はっ…」

唇が離れたのと同時に、熱い吐息がこぼれ落ちた。

頭がクラクラして、呼吸をすることができない。

そんな私とは対照的に、彼は全く動じていなかった。