「大切なことは¨何か¨は、橘さんに教えてもらいました。だから、私にとって何が大切かは自分でよくわかっています。もし…無駄になってしまっても、その時間は私にとって必要なことだったとー…」


中学3年の時に出会ってから、ここの喫茶店に通って色々なことを教えてもらった。

橘さんにとっては何気ないことだったかもしれない。

けど私にとって、人生に重要な…大切な時間。


「だから、後数年後ー…覚悟しといてくださいよ。この飴のおまじないを教えてくれたのは、橘さんなんですからね。受験も合格するほど強力ですよ!」


飴の袋を片手に宣戦布告をする。




「…はは!そうだな、俺が教えたんだもんな」


笑いながら橘さんが言い、椅子から立ち上がった。




「!」


ぽんっと、頭に手を置かれた。



「数年後かー…すずめがどう成長するのか楽しみだな」


顔を覗き込むように言われ、思わず真っ赤になった。