店内が静まり返り、橘さんは驚いて目を見開いている。


そんな姿を見て、やっぱり…とズキンと胸が傷む。


「…すずめ、俺はー…」


"そんな風に見れない。"


「橘さん言いましたよね?大切なのは気持ちだって」

「それは…」

「今すぐじゃなくていいんです。今はただ、私が勝手に想ってるだけ…橘さんからもらった飴を毎日食べて、おまじないをする」

今は言わない、橘さんへの好きな気持ち。


今はただ、願うだけー…




¨大人になった私を好きになって¨




「すずめ…お前が大人になっているってことは、俺は今よりもおじさんになっているってことだ。それでも、今大切な時間を俺に使うのか?」


まっすぐに目を見て話す橘さんを、じっと見つめる。