「…橘さん、受験の時にくれた飴ってありますか?」 「飴ならあるけど、同じのじゃないぞ」 「同じのじゃなくてもいいから、たくさんください」 「たくさんって…飴を欲しがるようじゃ、まだまだ子供だな」 そう言いながら、カウンターの引き出しから袋に入った飴を出した。 「ほら」 手渡されたのはミルク味の飴ではなく、レモン味の飴。