ドラゴン・テイル

 言葉を紡ぐラーマは、僅かに辛そうな顔をして満天の星空をふり仰いだ。

『幾千にも渡り星は輝く。……その時、竜族の中で起こった出来事は、竜族とこの星達しか知らぬだろう……』

 六千年戦争で、竜族に一体何が起こったのか……。

 興味はあったが、ウルは話を急かすような事は言わなかった。と言うより、言えなかったのだ。

 ラーマの醸(かも)し出す雰囲気が余りにも辛そうで。


 そんなウルに、ほんの少しだけ視線を向け、ラーマは微笑んだように見えた。

『お前は、優しいな』

 呟くように言葉を落とす。


 ─優しい……?


 少し驚いたように、目を見開くウル。

 ─俺はお前を始め殺そうとしたんだぞ?

 言葉にこそ出さないが、心の中で疑問をぶつける。

 そんなウルの心を見透かすように、ラーマは瞳を閉じた。

『我々竜族でも、姿形こそ違うが人間と同じだ』

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