ドラゴン・テイル


『そんなに昔から生きながらえた竜と言う訳ではないだろう。おそらく、古代竜の力を色濃く受け継いだ血筋なのだろうな……。』

 古代の力を受け継いだ現代のドラゴン…?
 今存在するドラゴンと何が違うんだ?
 いまいちよくわからない。


「ドラゴンの色分けに意味があるとは思わなかった。」

 思わず言った言葉に、ラーマは少し苦笑のような笑い声を上げた。

『人間の髪の色とは訳が違うのだ。遙か昔…それこそ、古代竜の時代、我ら竜族の属性は皆闇だった』

 属性。これは、ウルのように魔術に携わる人間なら必ず耳にする言葉だ。

 火、水、風、地、光、闇………そう言った自然の中に存在するものを、それぞれ種類に分けたものを属性と呼ぶ。

 魔術は、属性に強く干渉している。その自然の力をそのまま操るのだから当たり前なのだが。

 中には「念」と言った少し種類の違う属性も存在するが。大きく分ければその「念」も「闇」の属性に分けられる。

 その属性にも、象徴となる色がある。

 火は赤・朱、水は青・緑、風は黄・橙、地は茶・灰、光は白・銀、闇は黒・紫。

 闇の属性と言うことは、黒。もしくは紫。

 今では、レッドドラゴンだのブルードラゴンだの、いろいろなドラゴンの存在が確認されているが、その生態は謎のままだ。昔は一種類だったのか……。

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